【鳳来館(ほうらいかん)】大正レトロな銀行建物を再利用した素敵な美術珈琲(カフェ)で過ごす素敵な午後。
新城市大野に大正レトロな建造物があります。現在のメインロードからは少し奥まった場所にあるので、なかなか気づきにくい場所なのですが、私はドライブの際に何回か前を通っていて大変気になっていました。
いかにも昔の銀行という感じの建物だと思っていたら、その通りでした。
「鳳来館(ほうらいかん)」と呼ばれるこの建物は、明治29年に設立された(株)大野銀行の本店の建物(大正13年建築竣工同14年開業)をそのまま保存している美術珈琲(カフェ)だったのです。
三河大野は鳳来寺山の入り口ともいえる飯田線鳳来寺口の駅のお隣の駅で(その先は湯谷温泉)かなり山奥に入って行った場所なので、明治村にでも展示されているようなそんな建造物が、地元の方のアイディアで大切に活用されているなどという事は、実はよく知りませんでした。
そして入ってみてさらにびっくり。大変素敵な本格的なカフェであり美術館でもあったのです。
1階のフロアはカフェになっていますが、とても落ち着いたレトロ感のあふれる雰囲気でした。
こういう珈琲店大好きです。皆さんにもきっとそういう方が多いのではないでしょうか。
そして何と水出しコーヒーまでありました。
水出しコーヒーの器具も・・・
こんな部屋もあります。
レトロな展示品もありました。
メニューはこんな感じ(2024年3月現在)
そして二階は美術館スペースになっていました。常設展をやっていました。
カフェ利用者は無料ですべて見ることができます。
大野銀行の歴史や大野の町の歴史、鳳来館誕生のいきさつなども展示されていました。
そして鳳来館(銀行跡)以外にも土蔵や歴史的建造物が敷地内にあります。
敷地内にある土蔵(来訪者は無料で見ることができます)2階建てです。
旧料亭菊水(敷地内にある歴史的建造物)
外壁のこの絵は「奴と雀と竹林」というタイトルの絵で、大野の名左官鈴木光夫の最高傑作と言われる作品です。一見の価値ありです。
鳳来館の建物であった大野銀行本店ですが、大野銀行は東三河の中心的な銀行だったそうです。昭和20年に東海銀行に合併されて50年の歴史に幕を下ろしました。
私の遠い親戚がこの大野銀行に勤めていたという話を聞いていたので、親近感がわく場所ではありました。
その後は豊川信用金庫の出張所などを経て2009年に国の有形文化財に登録されています。
大野銀行本店の竣工の時期と鳳来寺鉄道(現飯田線)の鉄道開通が大正12年でほぼ同時期であり、三河大野駅の隣の湯谷駅に温泉施設などができたのが(湯谷温泉)それと同時期のようですので、大野の町が一番活発であり人々がたくさん往来したのもその頃だったのでしょう。
山の中の町にある大正時代の歴史的建造物というのは、少し珍しい気もします。江戸時代とか室町時代の寺院とかはよくありますが・・・
こういう歴史的に貴重な者を後世に残していこうとするこの鳳来館は、色々な意味で大変素敵な場所だと感じました。そして雰囲気も本当に良かったです。
一度来訪する価値は本当にあると思います。ぜひぜひみなさんもどうぞ。
鳳来館WEBサイト https://www.8uehiro.co.jp/houraikan/